臼蓋形成不全の一般的保存療法に対する個人的な考え

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ここ下関において、臼蓋形成不全に対して理学療法士が中心となる保存療法はあまり行われていない、知られていない治療方法であるという印象を持っています。(お客様によると福岡方面に行かれていた方が多いです)考えられる理由としては有名な病院がない、また注射や手術などと違い、即効性に欠け時間がかかり、個人個人の努力具合によっても結果が変わってしまう(これはどのような疾患でも言われます)ということもありますし、診療報酬上手術を行ったほうが儲かるということもあると思います。(これはあまり言いたくないですが)

実際に臼蓋形成不全においてリハビリ(保存療法)が有効であることを全く知らない患者さんたちも多いのではないでしょうか?

医療業界におけるリハビリテーションの問題

リハビリテーションにおいては、いったん失われた機能や低下した機能の再獲得を目指すことが多く、効果をすぐに感じられない、結果が出るまでに長期間かかる場合が多くあります。(筋力などはすぐに回復しないなど本当に時間がかかります)

このように長期にわたりリハビリテーションに対するモチベーションを維持し続けることは非常に大変であり、非常に辛い治療法とも言えます。また診療報酬を基にした医療制度においては利益に結び付きにくいという現状があります。

整形外科領域において保存療法はまだまだ発展途上といえます。私自身が医療機関に就職した当時から、20年くらいの間でも随分と医療における常識も変わってきました。上記のように利益に結びつきにくい(診療報酬においては手術療法は保存療法に比べて数十倍から数百倍…場合によってはもっと)こともあり、積極的に行う理由を探すことが難しい医療機関もあります。(ここでは手術を主に行う総合病院の多くになると思います)

理学療法士は基本医師の指示のもとリハビリテーション業務を行いますので、医師の考え方が手術療法中心となるとで保存療法に対しては消極的になってしまうことも当然と言えるでしょう。
このような状況を踏まえると医師による診断から、投薬など様々な治療法を一生懸命がんばってみてもいつまでたっても良くならない状況が生まれていると思っています。

一番困っている方は手術するほどではないが、痛みで日常生活がままならない方です。このような方はどこへ行ってよいのか迷い、治療院巡りなどをしてしまいがちです。しっかりとした保存療法を理学療法士に対して処方してくれる医師、またその処方内容についてしっかりと実践できる理学療法士がもしかすると少ないのかもしれません。

期間を区切られるため難しい医療制度の問題

現在の医療制度では標準算定日数というものがあり、期限が決まってしまいます。これは基本的には発症日から150日(5ヶ月)で診断を受けてからモタモタしているとあっという間にもうリハビリの期間が終了しましたということになってしまうのです。

通常5ヶ月あればかなりの方が症状が軽減すると思います。しかしながら、どうしても良くなってくると日常生活で気をつけていたことが段々と出来なくなり、頑張ってやっていたホームエクササイズなどをやらなくなってしまいます。(痛みがなかったら確かにやらないのは当然です)

すると・・・ある時期からまた痛みが再発してしまうのです。

医療機関で働いていた経験から患者教育と言うものが非常に大切ですが、実際には、人間というものは理由がないのに頑張れない事が多いので、どんなに苦しんでいた方でも良くなると忘れます!(忘れると言うのは大切なことです)

大切なことは良くなっても時々自分の股関節の状態を確認するということなのですが、これがなかなか現在の医療制度では難しいところです。(上記の標準算定日数により)

また、「筋力をつけなさい」と無責任に言う医療従事者の多いことにびっくりします。まじめな人ほど頑張りすぎてかえって痛みを強くしてしまったり「姿勢をよくしなさい」も同様で無理な姿勢を意識しすぎてかえって痛みを強くしてしまいます。

何をもって良しとするのか?ということはなかなか一般の方にはわかりづらいところであると思いますし、それこそが理学療法士の専門性である「姿勢と動作」を生かすことだと思っています。臼蓋形成不全、変形性股関節症、その他の股関節疾患でもそうですが同じ病名でも症状は様々で個人差があり、痛む個所や痛む状況も違います。一人一人に合った指導をしてくれる場所を見つけてください。

自分の股関節を治すにはまずは正しい情報を手に入れて下さい

自分の股関節がおかしいと感じたらまずは情報収集をして適切な保存療法(おそらく理学療法になると思います)を行ってくれるところはないか探すことから始めてください。

股関節疾患ではすべてが未手術となったり、痛みがすべて解決するわけではありませんが、変形などが少ないにもかかわらず、手術を勧められたり、痛み止めなしでは日常生活を送れないほどの重症でも、手術以外の選択肢を見つけることができる方もいます。変形性膝関節症では保存療法は最初の選択肢として挙げられますが、股関節では即手術となることが多いということもあります。まずはあきらめずにしっかりとした情報収集を行って医療機関にかかりましょう。

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